英語で仕事するならおぼえておきたいラテン語10選|いい感じのビジネス英語(32)

英語は、様々な他言語を語源とした単語が数えきれないほどたくさんあって、実はすでに知ってる単語のあれもこれもがフランス語やドイツ語起源だったりします。

語源についての知識を身に付けることで、単語を憶えやすくする技は、かなりの高等テクニックであり、私もよくわからないので、というか全然わからないので、ここでは取り上げません。

というわけで、もっと気楽に、日々英語に触れる仕事をしている中で、これだけはおぼえておきたいラテン語を10個+取り上げます。

語源がラテン語の単語ではなく、ラテン語がそのまま英語の文書や会話の中で使われているものが中心です。

日本語で「カメラ」という外来語をフツーに使うのと似たような感じかもしれません(ちなみに「camera」の語源はラテン語らしいです)。


文書と会話両方でよく使われるもの

vice versa

よく使われるナンバー1はたぶんこれでしょう。契約書でも日常会話でも使われます。

辞書で引くと最初に「逆に」「反対に」と出てきますが、使い方はそうではなく、「逆もまた然り(同様)」です。

通常、文章の最後に付けて使われます。会話でも。

Unless the context otherwise requires, words importing the singular shall include the plural and vice versa.

文脈上ほかの意味に解すべき場合を除き、単数形の単語には複数形が含まれ、逆も同様とする。

ad hoc

これはもはや日本でもそのままカタカナで使われることもあります。

「(その場限りで)特別な」「特別な目的のための」というような意味です。

「Ad hoc meeting/committee」で、特定の問題について対策を集中的に議論する会議/特別委員会といった意味になります。

また、口語(?)では「ad hoc basis」で、「臨機応変に/その都度」といった意味に使えるので、おぼえておくと非常に便利です。

We can meet up on an ad hoc basis.

その都度集まったらええやん。

per se

会話では「それ自体は」とか「本来~」というような意味で使われます。

アメリカ人がよく会話で、言葉の端々に「パーセー、パーセ」と言うのを聞いた記憶があって、最初まったく意味がわからなかったのですが、なんとなく大阪弁の「"ホンマは"ええねん」とか、文章の最後につける「あほちゃうか"ホンマ"」の「ホンマ」に近いのではないかと考え、なんとなくそんな理解でおりましたが、あながち間違いではないと思います(たぶんちょっと間違ってます)。

否定文では「~というわけではなくて~」(本当の意味は「ホンマは違うくて」)というように使われます。

Playing violent games does not reinforce brutal nature of children per se.

暴力的なゲームをプレイしても、それ自体が子供の暴力的な性質を強化することはありません。

また、法律用語的には、「per se」をつけることで「本質的に」「絶対に」「例外なく」というような意味を加える使われ方をされたりもします。「per se prohibitions」(完全禁止)「illegal per se」(本質的に例外なく違法)。「per se accurate」(原則正確なものとする)等々。


文書でよく使われるもの

pro rata / parri passu

両方ともファイナンス用語で、基本的にお金の支払いに関して、「pro rata」は「比例配分」、「parri passu」は「順番が平等」といったような意味です。

複数の金融機関や投資家が関わるローン契約やプロジェクトでよく使われます。

「pro rata」は借入金額に応じて比例で返済額を決める方式のことを指し、後者は複数の債権者それぞれが、返済順位において平等という意味で使われます。

こうしたローン以外でも、お金の支払いのことを言うときに広く使われます。

とくに月の途中で入社したひとの給料を「日割りで計算する」は、「calculate on a pro rata basis」となります。

The Company A shall distribute its profits to each party on a pro rata basis to their shareholding ratio.

会社Aは、その利益を、それぞれの当事者に対して出資比率に比例して(プロラタで)分配しなければならない。

Curriculum Vitae

これは「履歴書」のことです。略して「CV」。憶えておきましょう。

日本ではコンビニで売ってる「履歴書」書式が「履歴書」で、職務経歴書は別という謎の文化がありましたが、普通はCVといえば、個人情報、学歴、特技、職歴などすべて含みます。パスポート番号も書いたりします。

なお、国際会議で発表するときなども、事務局よりCVの提出が要求されることがありますので、転職活動中でなくても、簡単なCVは常に準備しておき、自分がいつでも取り出せるところに置いておいたほうが良いです。

Addendum

契約書などの最後につける「補遺」という意味で、簡単に言えば「附属」する「別紙」のこと。

この「補遺/附属/別紙」は、ほかに「annexure」「appendix」「attachment」などとも呼ばれます。「Annexure」が一番メジャーですかね?

in lieu of

これは契約書で結構出てきますが、契約書以外でも当然使えるので憶えておくと便利です。「~の代わりに」という意味。

The Company A is entitled to the consideration in lieu of the licenses to be provided by it to the Company B.

会社Aは、同社によって会社Bに提供されるライセンスの代わりに(対価として)、報酬(ライセンス料)を受け取る権利を有する。

「consideration」は「consider」の名詞形ですが、「熟慮」や「検討」だけでなく「(金銭的な)報酬」という意味もあります。

inter alia

これも契約書で頻出します。もったいぶって「特に」とか「とりわけ」と言うときに使われます(ここに書いておきながらなんですがこれあんまり意味ないのでおぼえなくてもよいかもしれません)。

The purpose of this Agreement is inter alia to set out terms governing the mutual rights and obligations of the Parties.

本契約の目的は、特に当事者双方の権利と義務を規定する条項を定めることである。

nemine contradicente

「ネミネコントラディセンテ」。

最強の呪文みたいでかっこいいので紹介。「全員一致」という意味。

All the resolution of a board meeting shall be agreed to nemine contradicente.

取締役会におけるすべての決議事項は全員一致の合意を必要とする。


その他こまごまとしたラテン語の略語まとめ

最後に、文書でよく使われるラテン語の略語をまとめておきます。

ここで注記しておきたいのは、「例」を「example」の略で「ex.」と書くひとが結構いますが、これって実はあまり使われません。「例」は「e.g.」と書いてから挙げていくのがメジャーです。

ca. (circa) 約/およそ

cf. (confer) 参照/比較して

e.g. (exempli gratia) 例/例えば

et al. (et alii) その他(※論文の複数の著者名を省略するとき)

etc. (et cetere) 等/その他

ibid. (ibidem) 同書(※論文の参考文献欄で同じものを参照したとき)

i.e. (id est) すなわち

おまけ(仕事でよく使う/出てくる)

ラテン語

de facto 事実上の

bona fide 真正な

per annum 毎年/1年ごとに

per capita 一人あたり

ついでにフランス語

Force Majaure 不可抗力(英語は「Acts of God」)

R.S.V.P. (招待状に書いて)お返事をお願いします。

以上

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