シンガポールに来たら食べるべきオススメの隠れデザート屋『Siyuan Desserts』
最近ものすごく暑いため、昼食後に涼を求めて足を運んだアジア・デザート専門店『Siyuan Desserts(思源糖水铺)』が良かったので紹介します。
小洒落た店先
昔の商店を改装しておしゃれなカフェやレストランにするという手法はシンガポールにもあって、このデザート屋もそのひとつ。あえて昔の商店の看板を外していません。
場所は、ラベンダー通りからちょっと西側に入った非常にわかりにくいところにあります(記事下の地図参照)。近くにはシンガポール最古のスタジアム、ジャラン・ベサー・スタジアムや、いまやオシャレ通りに変貌しておいしいレストランなどが林立するHamilton Roadがあります。
上の写真の右側のガラス扉が店で、左側はチャイナドレスっぽい服のテイラーかお直し店のようでした。ドアは自動ドアではなく、左側の壁にあるボタンを押して開けるシンガポールにはよくある電磁石ロックON/OFFスタイルのドアで、旅行者はたぶんどうやって開けるのか戸惑うと思われます。
店内は落ち着いた感じの中国風インテリアで、BGMとして微かにジャズが流れているのがこういう店では珍しく、おそらく店主の趣味かと思われます。
メニューは温かいデザートが9つ、冷たいデザートが3つ、というシンプルなもの。3人で行ったので、とりあえず4つ頼んで皆でシェアすることにしました。
まず出てきたのが、冷たいCheng Teng with Peach Gum。5.5ドル。
Cheng Teng with Peach Gum(桃膠入りチェンタン)
このチェンタンという、白いキクラゲやら、ロンガンやら、ハスの実、クコの実などが入ったヘルシー薬膳っぽいデザートスープは、シンガポールのホーカーセンターの中のデザート(かき氷)屋でも定番メニュー。温かい方も定番ですが、これは冷たいもので、写真左側のキラキラは溶けかけの氷です。
Peach gumというのは調べたら「桃膠(とうきょう)」と言って、桃の木の樹脂をかためた中国の高級健康食材とのこと。たぶん写真の左上のやつかと思われます。
チェンタンはいままでに2、3回食べたことはありますが、それまではぬるくて甘いシロップを薄めたような味しかせず、あとは食感を楽しめるくらいで、たしかに薬膳ぽいけどそんなおいしいもんでもないという印象でしたが、ここのは全然違いました。
口に入れた瞬間、自然な甘みの自然の恵みが自然と体内つまり自然に吸い込まれていくような、とても自然でナチュラルな味。絶対体にいいやろ、これ、というようなデザートでした。たぶん普通はシロップ漬けのロンガンの缶詰とかを使ってるんでしょうけど、ここは生なのかもしれません。
Mango Sago(マンゴー・サゴ)
次に出てきたのは、Mango Sago(マンゴー・サゴ)。5ドル。
実に鮮やかな黄色。サゴとはサゴヤシのデンプンで作ったタピオカみたいなもので、写真のツブツブがそれです。これもまたやさしい味わい。甘さ控えめで、自然のマンゴーの甘みを活かした冷たいスープ。
これもシンガポール定番デザートですが、無糖練乳を使っているらしく、牛乳が嫌いな私はちょっとアレでしたが、ほかの二人はうまいうまい言うてました。カットマンゴーも多くはないですが入ってます。
最後に一緒に出てきたのが、杏仁クリーム(4.2ドル)とチェンドル(4ドル)。
左:杏仁クリーム、右:チェンドル
チェンドル(写真右)もシンガポールの定番デザート。当地のものは、かき氷の上に、パンダンリーフ(バニラみたいな独特の芳香がある葉で色付けにもよく使われる)で着色した米粉ベースのイモムシみたいなきもい見た目のゼリー状の物体や、小豆やらココナッツミルクをぶっかけたもの。具だくさんかき氷みたいな感じで、普通においしい。
安いかき氷屋だと、合成着色料によるどぎつい緑のイモムシゼリーを使っていますが、ここのは薄い緑色で、これもパンダンリーフだけで色付けしていると思われます。それによって、よりイモムシらしさが際立つこのチェンドル、ほかのと同じく自然な味わいで間違いのない一品でした。
杏仁クリーム(写真左)は、今回頼んだ中で唯一、あたたかいデザート。
メニューでは「杏仁露 Almond Cream)となっていました。杏仁とアーモンドエッセンスを使っているのでしょうか。味は、日本の中華料理屋でよく食べられる杏仁豆腐の甘さをだいぶ抑えた感じ。
杏仁豆腐の味はめちゃくちゃ好きなのですが、これはなんか杏仁豆腐を5個くらい注文して、ぜんぶを一皿にまとめてぐちゃぐちゃにかき混ぜて液状にしたものをごくごく飲んでいるかのような背徳感も感じる、濃厚・芳醇な味わい。店を出たあとも杏仁クリームの香りが胃から逆流してくるくらいでした。
メニューにはこのアーモンドクリームのほかに、胡麻クリーム、くるみクリームもあって、それら2つか3つを混ぜ合わせたものも注文できるようでした。たぶん黒ゴマのクリームを混ぜたものにしたら、もっと香り高い一皿になったのかもしれません。
もちろんホーカーセンターのデザート屋ならさらに安いですが、オシャレなカフェ風でエアコンも効いた店内で食べれてこの値段はかなり良心的だと思います。
値段はともかく、ナチュラルの食材・製法にこだわっているっぽいので、おそらくこれが昔ながらの、本来のシンガポールデザートなんだと思われます。明らかにいままでに食べたチェンタン、チェンドルよりうまかったです。
ちなみにこの中では、私はチェンタンが一番地味ですがうまいと思いました。
日本では珍しいこれらデザート。シンガポールに食べられるところはたくさんありますが、ここのは他と一線を画する味わいです。
あまり観光で来るようなエリアではないものの、この近くにはシンガポールで最高レベルのナシレマ・アヤムのひとつを出すと思われるWild Cocoもあるので(また今度紹介します)、Wild Cocoで昼ご飯をたべてからこのデザート屋に寄る、というのはかなり通っぽい、おすすめのコースと言えるでしょう。
私は次回は、芋泥つまりヤムペーストを頼むつもりです。これは中国系シンガポール人の間では結婚式などでも供される高級デザートとのこと。
Siyuan Desserts 思源糖水铺
111D King George's Ave, Singapore 208559
月曜日が休み。それ以外は毎日昼の12時半から夜9時半まで営業している模様。