失われゆくシンガポールのストラタモール

1965年の独立以降、シンガポールは周辺諸国を大きく上回る経済成長を遂げた。天然資源に乏しく、観光や文化的資源にも限りのあったこの国において、ショッピングは豊かになっていく人々の欲望と活気の受け皿となり、急速な発展のただなかで多くの個性的なショッピングモールが建設された。そこにはいずれも、途切れることなく続いていく繁栄と、輝かしい未来への期待が色濃く投影されていた。

しかし近年では、老朽化に伴う再開発によって、多くのショッピングモールが姿を消しつつある。各地に新しく建設されるモールは、外観こそ現代的で、ときに未来的ですらある。しかしひとたび足を踏み入れると、そこに並ぶのは大資本によるフランチャイズや、どこか別のモールでも見かけたような店ばかりで、まるで都市そのものがコピー&ペーストされているかのような感覚を覚える。つまらない。そこにはかつてのモールが持っていた混沌や雑多さ、地域ごとの個性はほとんど残されていない。だからこそ私は、古いショッピングモールの風景――独特のフォント、店構え、色使い、薄暗い通路の空気感――を、写真として記録に残していきたいと思う。

<準備中:2026年7月頃掲載開始予定>